前の記事に続き、今回も東京ビエンナーレの紹介です。前回は秋葉原・神田を中心に紹介しました。
今回は、湯島、水道橋、上野(+東向島)を紹介していこうと思います。
東京ビエンナーレって？
詳しくは前回の記事を参照してください。
鑑賞した作品(湯島)
宮永愛子 「ひかりのことづけ」
作者が自身のキャリアで培ってきた観点から、湯島聖堂の中にとらえた光の陰と陽を表現した作品。最初はガラスの彫刻かと思っていたのですが、作者曰く、湯島聖堂という環境まで含めたインスタレーションとのこと。すでに展示は終了してしまったのですが、湯島聖堂の雰囲気と見事に調和しており、とても綺麗で一押しの作品です。ちなみに、雨が当たると綺麗な音を奏でるそうです。
「サヌカイト」を素材とするインスタレーション展示を含めた作品集も出されています。
リー智子「玉川上水46億年を歩く」
羽村から皇居まで46kmの玉川上水とその軌跡を、地球46億年の歴史になぞらえながら歩くプロジェクト。クラウドファンディングで資金と参加者を募り、1日かけて玉川上水を歩いたそうです。この展示では、活動計画や記録といった資料が展示されていました。
1kmで1億年という想定ですが、参加者が本当にそう感じられたかは分かりません。真意は闇の中。
駿河台ビルの屋上庭園はマジオススメ。
鑑賞した作品(水道橋)
林加奈子「詰まる人々」
建物の隙間や道路の凹凸などを「都市のフレーム」と見立て、その枠を使った瞬間的なアクションをとらえる写真作品のシリーズ。最初は本当に人が嵌っているのかと思ってました。場所が東京ドームでそこを使った写真もあったので、何なら実際にやってる瞬間の方が気になりました。会期中ずっと人が入ってたら面白かったなぁ。
久村卓「東京お直しごと」
公募アートプロジェクト「ソーシャルダイブ」選出作品。東京の都市空間を部分的に残しながら補修することで、視覚的要素を含みながら、歴史や記憶を顕在化させる「作品」に仕立てるプロジェクト。場所がなかなかわかりづらいところにあって、謎解きかなと思いました。謎解きアート散歩。
スタジオバッテリー「文キョウの境カイ」
境界の操作をすることで街の環境形成の再構築を試みるフィールドワーク的な作品。公募アートプロジェクト「ソーシャルダイブ」の一環。実は、7月時点の公式マップでは別の場所に印が付いており、全く関係ない場所に迷い込むという罠が張られていました。謎解き散歩、随一の難問。本当に作品あったのかと疑ってすらおりました。
後日、空いた時間に正しい場所に行くと作品がありましたが、夜だし雨も降っていたので、途中で面倒になってさっさと切り上げました。
公式からリストも公開されているので、興味のある方はぜひご覧ください(これで十分かもしれない)。
鑑賞した作品(上野)
野営とおしゃれブラザーズ「東京大屋台 / 東京をきく──モノ・コト、そしてオトの再発見」
公募アートプロジェクト「ソーシャルダイブ」選出作品の一つ。上野では「東京をきく」が展示されています。レコードによる音楽鑑賞が可能で、YMOの初回限定版レコードを聴くことができました。実際に聴くと、確かにCDや動画配信サイトなどで聴く音とは少し違う感じがしました。なお、場所はパブやスナックなどが集まる歓楽街で抵抗もあると思いますが、中は全然怪しくないのでご安心を。
津村耕佑「都市を纏う」
上野松坂屋本館7階、美術画廊に展示されているファッション作品。ファスナーや組紐といった地域(都市)を構成する様々な要素を使った服飾が展示されていますが、特に銃弾や弓矢などの武器を使ったものはなかなか迫力がありました。
ただ、特に好きなのは裏側の小スペースにあったこのファッションで、金の装飾と紫の組みひもの組み合わせがオリエンタルだけど和の感じがして素敵でした。
ちなみにファッションショーもあったそうですが、当日は台風や大雨が心配で断念しました。結果的には大した雨風ではありませんでしたが、よく開催中止にならなかったなぁとは思いました(今更できなかったのかな)。
鑑賞した作品(東向島)
長谷川逸子「音のきづき」
人間の感性・感情について実験する場として作られたインスタレーション。
とりあえずスカイツリーから歩いて行ったら思ったより遠かった。汗だく散歩。
次は丸の内や日本橋周辺を紹介していきます。
(9/8 更新しました↓)
