またも東京ビエンナーレの紹介です。前回は湯島・水道橋・上野(+東向島)を紹介しました。
今回は、丸の内や日本橋を中心に紹介していこうと思います。
東京ビエンナーレって?
前回の記事を参照
鑑賞した作品(日本橋)
髙畑早苗 & Creative Kids Club人形町「Marginal わたしたちの声が聞こえる」
十思スクエアで展示された一連の肖像画。作者は実際にいろいろな方へインタビューを行い、そこから得られた情報をもとに肖像画を描いているそうです。今回は1991年から現在までの過去作と、新型コロナの感染拡大後にネットを介して集めた人々の声(アンケート)を展示していました。個人的には、前衛的な色遣いとシュルレアリズムのような作風を感じました。
1995年の個展で展示された作品もあり、同じ作品が20年以上の時を超えて再び鑑賞されるというのは、何だかアートの長期的な価値、ある種の不変性のようなものを感じました。メディアアートはその性質上、長期的に鑑賞できる状態を維持し続けるのが難しいので、長期的に動き続ける作品も創っていきたいですね。
そういえば、十思スクエアって神田エリアの方が近い気がする。
セカイ+一條真人、村上奈津子、アキナイガーデン「東京型家(とうきょうかたや)」
三越前近くの駐車場みたいな空き地に展示されたコンクリートのオブジェクト。古い木造建築の外周にコンクリートを打設して「建物の型を取る」手法で作られているそう。
公式サイトの紹介(と1枚目の画像)から、てっきり家の形をそのまま展示しているのかと勘違いしてましたが、実際にはベンチの形のようなオブジェと型を取った家の部品だけでした(よく見たら3枚目に展示イメージが)。残りのコンクリートはどこ行ったんだろう。
鑑賞した作品(丸の内)
Hogalee「In the CBD」
実は、前々回の記事でも取り上げた作品。こちらは大手町にある同名の平面作品。
ですが最初は発見できず、ビルの周囲をぐるっと回って、戻ってから見上げてようやく発見できました。まるでアハ体験。これも謎解きの一環かな(違
O JUN「絵と目」
3点の絵画で構成される『絵と目』を様々な形態で展示する作品。同じ絵を様々な大きさや場所に描くことで、作品の記憶を揺さぶり、オリジナルとは何かを再考させる狙いがあるそうです。
が、大手町パークビルディングの方は閉鎖されて入れませんでした。なぜ土日休みの場所を選んだ。
と思ったら、壁画で見られたのでヨシ。
鑑賞した作品(銀座)
太湯雅晴「The Monument for The Bright Future TOKYO / 2021」
数寄屋橋公園にある岡本太郎の「若い時計台」に、「明るい未来」という標語を仮設した作品。3.11の震災に見舞われた福島第一原子力発電所の標語「原子力 明るい未来の エネルギー」からとったそうです。岡本太郎の「対極主義」を以て次へ進むインパクトを生み出す狙いがあるらしい。メインは時計台ではありません。
BSフジの「アートフルワールド」でも紹介されてましたが、解説の人が碌に説明してなかったなぁ。途中から岡本太郎の話になってたし。
村山修二郎「動く土 動く植物」
日比谷OKUROJIの一角で展示されている、植物を用いた絵や彫刻など一連の作品。
作者自身が考案した、植物で絵を描く「緑画(りょくが)」手法による絵画は、なんだか植物の生命を感じるような色使い(というか、草花を押し付けているので本物そのまま)。何故か押絵を思い出しました。
遠山正道「Spinout Hours ~弾き出された2時間と、そのいくつか~」
三愛ドリームセンター9階のRICOH ART GALLERYで展示されている、「時」をテーマにしたインスタレーションとAR作品。文字盤の数字は0~9までしかなく、10時から12時までの2時間がはじき出されてます(考えてみれば12も0に置き換わってます)。ARは有料パスが必要で体験してません。
こちらの作品は、乗ると行きたい未来に行けるそうです。
時間がなくて乗れなかったので、心の中で搭乗しておきました。
ちなみに、Revetroniqueでは時間の二面性をテーマにしたメディアアート作品も制作しています。
良ければぜひご覧ください。
西村雄輔「Spirit of the Land 〈地の精神〉」
(9/8更新)
「地との対話」により過去から未来まで全ての時間軸の共存を感じる瞬間を作り出す、体験型アート。
地上11階では小さい社が川を下る映像が上映されていますが、11階から地下5階までが地層のパイプで貫かれています。
曰く、この地層は関東ローム層なのだそう。
11階から地下5階まで本当に土入りのパイプが続いています。よく見ると少しずつ土の様子が違ったり。
これをずっと階段で下るわけです。いい運動。またもアート散歩。
最下層(地下5階)ではパイプと砂場がお出迎え。これにて終了。
…と思いきや、外に出ると社と思しき飾りが。いつの間にか社の中にいたらしい。
どうやら階段を降りることで自ら川下りの追体験をしていたんですね。
ところで、紹介ページの写真からビルの中に木の根っこを張り巡らせたのかと思い込んでましたが、根っこなんてどこにもなかった。代わりに土がありました。むしろ土しかなかった。
イメージ画像と実際の展示が違いすぎるって?こまけぇこたぁいいんだよ!
そんなわけで東京ビエンナーレの作品を紹介してきましたが、最後に総まとめの記事も書くつもりです。
いろいろと思うところ(特にディレクションについて)があるので、少し厳しめの評価になるかと思います。
(9/8 更新しました↓)
おまけ
東京ビエンナーレの灼熱アート散歩中に見つけた光景。太陽の光がガラスで屈折して虹になってました。
偶然ですが、なんだかパブリックアートのような感じがしました。