どうも、Reveです。
前々から気になっていたNHK技研公開に行ったのですが、いろいろと興味深い技術があったので、今更ながら感想をつらつら書いていく次第です。
NHK技研公開って?
その名の通り、NHK技研の研究成果を一般に公開する展示イベントで、映像に関する様々な先端技術が披露されています。
なお、NHK”技研”なので場所は渋谷ではありません。
興味深かった技術
低遅延配信技術
インターネットでリアルタイムに映像配信を行うための研究開発。
前からMR関係の研究や技術開発で遠隔通信技術には関心があり、特に低遅延で映像を送受信するためのツールやAPIなどを調査していたので、非常に興味深いものでした。
ここではWebTransportというWeb APIを駆使して、カメラで撮影した映像を転送するリアルタイムデモを披露しており、転送された動画は元動画と比較してもまるで同時に撮影しているかのようで驚愕でした。
どれだけ低遅延かは動画でご覧ください。
また、類似する技術で「400Mbps級ミリ波無線伝送技術」というブースもあり、こちらはVRでも使える8K360度動画をリアルタイムで転送するものでした。
低遅延配信技術、いつか自由に使って制作や研究開発をしてみたいものです。
ボリュメトリックキャプチャー
現実の人やモノを3Dモデルや映像としてキャプチャするための技術。
こちらもテレプレゼンス提示のシステム関係で特に遠隔地への映像配信で3Dビデオをリアルタイムに映すための技術を追っていたので、訪問前から特に気になるブースでした。ノイズや欠けのないキャプチャモデルが視点や背景をいろいろと切り替えていく様子は楽しさと同時に新たな可能性を感じます。
CANONやSONYなどもボリュメトリックスタジオを開設していますが、こういった場所が増えて面白い映像作品がどんどん作られる事を望む限りです。
この技術による映像デモも動画で撮ってみました。
ちなみに、3D情報のデータ形式には(ざっくりいうと)主にメッシュと点群の2種類ありますが、技術者の方に伺ったところ、圧縮効率の観点では現時点でメッシュの方が高いものの、リアルタイム配信には(将来的な発展性も加味すると)点群の方が向いているのではないかとのご意見をいただきました。
伸縮可能なディスプレイ
タイトル通り。こちらは実物を見るまで知らなかったものの、実際に目にするとガジェットとして楽しいもので、仕事と関係なく個人的に購入したくなりましたw
やわらかいアクリル系ゴム素材にマトリクスLEDが内蔵されており、配線も伸び縮みするようになっていました。空気圧で膨らませたり、腕にまとわせたりすることも可能です。今は有効な使い道を模索中とのことでした。
書き換え可能な高精細ホログラム
世界最小クラスの画素で書き換え可能かつ視野角の広いホログラムが映し出せる技術。
ホログラム自体は、元々1947年にハンガリーの物理学者ガーボルによって発明され、レーザーの発明によって急速に発展してきましたが、今回は極小の磁気光学式空間変調器(MOSLM)を用いて上記技術の開発に成功したとのこと。
実際に見てみると、画像で見る以上にくっきりと文字や絵が映し出されてました。見る角度を変えると絵が斜めになって立体的になってました。
もしかすると、いずれフルカラーで立体的にみられるホログラムテレビの登場もある…かもしれません。
その他
ほかにも、手話CGやVRでテレビ視聴体験、より理想に近い鑑賞位置の推定アルゴリズム、ロボットといった展示がありました。
おまけ
昔の撮影機器も展示されていました。なんと今でも動作しており、展示中に動く様子が見られたのが驚きでした。
これらを使って歴史的な事件やイベントを映してきたと思うと感慨深いものです。