おはようございます💐Revetoroniqueです!8月になりましたね🌻🍉🌤️
先日、数年ぶりにワタリウム美術館へ行ってきました!
メディアアーティストの故ナムジュン・パイク氏の展覧会「没後20年 ナムジュン・パイク|じゅげむ展」を見るためです。ワタリウム美術館でパイク氏の作品を見るのは、2021年の「水の波紋展」(当方のブログ記事はこちら / 公式ページ)以来かもしれません。

ワタリウム美術館は地下1階から地上4階建てのビルで、順路は本来2階→3階→4階と案内されているのですが、我々はうっかり4階から入ってしまい、4階→3階→2階→もう一度4階、という変則的な回り方になりました(汗)。この記事では見やすいように本来の順路(2階→3階→4階)でご紹介しますね。
展示はエレベーターを降りた踊り場からすでに始まっているので、移動中も油断できません。
【アクセスとチケット情報】
| 展覧会名 | 没後20年 ナムジュン・パイク|じゅげむ展 |
|---|---|
| 会場 | ワタリウム美術館 [★要確認: 詳細住所(番地)] |
| 会期 | 2026年7月19日(日)〜11月23日(月・祝) |
| 開館時間 | 11:00〜19:00 [★要確認: 休館日] |
| 入場料 | 一般 1,500円 / ペア 2,600円 |
| アクセス | 原宿駅より徒歩約15分 / 千駄ヶ谷駅より徒歩約17分 |
| 公式サイト | http://www.watarium.co.jp/jp/exhibition/202607/ |
1階が受付になっていて、ペアだと2,600円と少しお得になっています。一緒に行く方がいればペアチケットを狙うのがおすすめです。
【2階:テレビが実る”森”の中の作品たち】
2階に足を踏み入れると、会場全体がまるで森になっていました。床にはウッドチップが敷き詰められていて、入口付近は背の低い草木、奥に進むにつれて天井から光が差し込み、背の高い木々が現れてくるという構成です。小道に複数の小さなブラウン管テレビが展示されていて、歩くたびに違う景色が見えてくる工夫が感じられました。

途中には、昔祖父母の家にあったような茶色いブラウン管テレビを複数台使い、大きなシルクハットを被せてコヨーテの剥製を設置した作品もありました。これは亡き友人に送った作品とのことで、ユーモラスでありながらどこか切なさも漂う一点でした。


そして最後にたどり着く一番背の高い木には、まるで木の実のようにブラウン管テレビがいくつも実っている、という何とも不思議な光景が広がっていました。
ブラウン管テレビと言えばナムジュン・パイクというイメージが強い方も多いと思いますが、2階はまさにブラウン管テレビ尽くしの展示内容でした。

【3階:パイク氏の思考の軌跡とメディアアートの原点】
3階には、パイク氏本人が書いたアイデアメモや絵コンテなどが展示されていて、作品が生まれる前の思考のプロセスをのぞき見ることができました。

その中で印象的だったのが、使わなくなったテレビやパソコンの筐体を鉢カバーに見立て、中に植木鉢を入れた作品です。実際に見てみると、無機質な機械の抜け殻に植物が息づいているというギャップが面白く、しばらく足を止めて眺めてしまいました。

また、ボードにカセットテープでよく使われる磁気テープがランダムに交差するよう貼られていて、読み取り用のヘッドでテープをなぞると音が出るという体験型の作品もありました。実際になぞってみたのですが、テープの交差の仕方次第で音が変わるのが面白く、何度も試したくなる仕掛けでした。

水槽の奥にテレビが設置されていて、泳ぐ魚と映像を同時に眺められる作品もあり、生き物と映像メディアが同居する不思議な感覚を味わえました。

そして今回特に印象に残ったのが、おそらくロボットをアート作品にした最初期の例なのではないかと思われる作品です。2階の展示物に制作当初の映像が流れていたのですが、実際に人と一緒に歩いたり、首が回ったりする様子が記録されていて驚きました。このロボットは窓の前に展示されているのですが、窓の外に見えるディスプレイには今回のパイク氏の展覧会の宣伝映像が流れる仕掛けになっていて、これはびっくり演出でした!
ちなみに、2021年の「水の波紋展」の際には、その窓の外の三角形の土地にライゾマティクスの展示があったのを思い出しました。

複数のディスプレイにパイク氏自身が映った映像が流れている作品もあり、後のビデオアートの原点を思わせる内容でした。天井にも作品が展示されているので、上下左右、隅から隅まで見渡さないと見逃してしまいます。ぜひ360度見渡して鑑賞してみてください。

【4階:蝋燭の揺らぎが生む、二度とない光の作品】
4階の展示室は暗幕で覆われていて、本物の蝋燭の炎の揺らぎがリアルタイムに部屋全体へ投影されているという作品でした。仕組み自体はシンプルで、火のともった蝋燭をカメラで撮影し、その映像をプロジェクタで壁面に映し出しているというものです。

実際に見てみると、同じ色や動きは二度と現れないというのが本当によく分かりました。壁一面に揺らめく炎の光に包まれていると、時間の感覚が少しおかしくなるような、不思議な没入感がありました。
エレベーターで4階に降りると、まず蝋燭にまつわる展示があります。

【もう一度見た4階:同じ作品、違う表情】
一通り見終えた後、最後にもう一度4階の蝋燭の揺らぎが見たくなり、再訪しました。
正直「そんなに変化はないだろう」と思っていたのですが、実際に見てみると最初とは全く違う揺らぎ方をしていたんです!

最初に見たときは、蝋燭の火の色が赤・青・緑・黄色で、微かに揺れる程度でした。
ところが2回目は、水色やエメラルドグリーンといった優しい色合いが、ブルっと揺れた後に時々現れるという、揺れ方そのものが違う表情を見せていました。
心が安らぐというか、爽やかな風が吹いたような優しい雰囲気で、個人的にはこちらが好きです🕯️

写真に撮って見比べると、その違いがよく分かりました。

様々な大きさ・メーカーのプロジェクタが隠すことなく部屋全体に設置してあり、それも含めて部屋全体が作品なのだと、その大胆さにも感心しました。

同じ作品なのに、最初と最後でまったく違う演出が見られたのは、人の出入りや会場奥にあるスタッフさん用ドアの開閉による空気の流れの変化が影響しているのかな、などと考察していました。
こういう「二度と同じものが見られない」という体験ができるのも、この作品の面白いところだと思います。
【まとめ】
ナムジュン・パイク氏は、ビデオアートもロボットアートも、いわゆるメディアアートというジャンルを最初に切り拓いた人なんだな、ということを改めて実感した展覧会でした。没後20年が経ってもまだまだ作品に古さを感じませんでした。

昨今のメディアアートは、綺麗で完成された作品が多い印象がありますが、我々Revetroniqueが思うメディアアートの魅力である「実験的な部分」が、この展覧会にはたくさん作品として残されていました。昔のライゾマティクスのような、テクノロジー×アートの実験的な部分がそのまま作品として認められているというのは、羨ましいと同時に、実験そのものを作品として成立させてしまう凄みを感じました。
会期中にこうして記事を書けているのも、なんだか正しいブログの書き方な気がしていますw
写真選定に時間がかかり悩んでいる間に8月になってしまいましたが💧
始まったばかりの展覧会なので、気になる方はぜひワタリウム美術館へ足を運んでみてください!


