Art Exploration Event

水の波紋展2021めぐり

Art Exploration
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渋谷界隈で9/5(日)まで開催されている水の波紋展2021パビリオントウキョウ2021を回ってきました!
道なりにパビリオントウキョウの6作品(全9作品)を挟みつつ、水の波紋展の25作品(全27作品)、ランチ休憩を挟んでも5時間ほどでほぼ全ての作品を見て回れました。
パビリオントウキョウの代々木公園の雲のパビリオン、九段ハウスの木陰雲、浜離宮の水明は離れているので後日回ることにしました。
東京ビエンナーレも歩き回ったのですが個人的には消化不良すぎて…、こちらのアート作品を見て求めていたのはこれだっ!!!となりました。

ということで、今回は1995年以来、26年ぶりに開催された「水の波紋展2021」から!

水の波紋展2021 渋谷区役所第二美竹分庁舎
  1. 水の波紋展2021作品紹介
    1. 笹岡由梨子 「Planaria 2020-2021」
    2. 渡辺志桜里 「サンルーム」
    3. 竹川宣彰 「猫オリンピック:開会式2019」
    4. UGO 「Persistence of We 2021」
    5. JR 「インサイドアウトプロジェクト2011」
    6. 弓指寛治 「山陽堂書店130年の歩み展feat.弓指寛治2021」
    7. 柿本ケンサク 「タイムトンネル2020」
    8. 弓指寛治 「あの日のタイル」
    9. 川俣正+フランツ・ウエスト 「タンコブ1995」、「プレファブリケーション・東京/神戸」
    10. 檜皮一彦「hiwadrome type : re[in-carnation]2021」
    11. ビル・ウッドロウ 「ハーフ・カット1994」
    12. 梅沢和木 「くじら公園・アラウンドスケープ・画像2021」
    13. 山内祥太 「我々は太陽の光を浴びるとどうしても近くにあるように感じてしまう。2021」
    14. デイビッド・ハモンズ 「ロックファン1995」
    15. ホアン・ヨン・ピン 「竹箒(たけぼうき)1995」
    16. クリスチャン・ボルタンスキー 「モニュメント(オデッサ)1988-89」
    17. 坂本龍一+アピチャッポン・ウィーラセタクン 「async – first ligh -2017」
    18. トモトシ 「プライベートペンディングプラン2019-2021」
    19. フィリップ・ラメット 「有罪の空間1995」
    20. 名もなき実昌 「観れても触れれない(おっきな落書き(>_<))2021」
    21. バリー・マッギー 「無題2019」
    22. SIDE CORE 「地球 神宮前 空き地2021」
    23. トモトシ 「ミッシング・ミッシング・サン2021」
    24. ファブリス・イベール 「たねを育てる2008」

水の波紋展2021作品紹介

まず、渋谷区役所第二美竹分庁舎3Fにあった4作品。
人が少ないのでほぼ貸し切り状態で作品と対面できました。人の気配がない薄暗い空間での展示はそれぞれのコンセプトにとても合っていた気がします。コロナ禍に触れた作品も多く、コロナがアーティストに与えた影響はとても大きいのだと改めて感じました。

笹岡由梨子 「Planaria 2020-2021」

作品の部屋に入った瞬間、赤紫の広い空間に複数のディスプレイ。
人が水に沈んで浮上する映像がディスプレイに繰り返し映されていたり、黒い衣装の民族か山賊の儀式が映っていたり、正直、怖かったですが、非常にインパクトがあり雰囲気が完成されていた作品。何度死んでもプラナリアのように蘇る復活の儀式。
個人的には、よくある映画のシーンでとある冒険家が未知の島にたどり着き、先住民と出会い、生贄にされる前の独特な儀式かと思いました。

部屋全体で醸し出す赤紫の雰囲気

渡辺志桜里 「サンルーム」

人工的に作られた生態系を維持する装置が人の手から離れることで、野生に戻る姿を擬似的に成立させているらしい。
この装置が壊れたなら意味はわかりますが、実際、電力は供給されているわけで…、野生に戻ったらこのような自然循環システムで自然は動いていると理解すればいいのかな。

野菜が育っていました
稲も育ってた!
生態系維持装置は別の部屋にも

竹川宣彰 「猫オリンピック:開会式2019」

政治や商業主義になりつつあるオリンピックを猫のオリンピックへと置き換えた皮肉めいた作品。純粋さと平和。世界の大運動会も猫のようにもっと簡単で単純でいい。

平和が一番だにゃ

UGO 「Persistence of We 2021」

大きな装置と電源にささっていないコンセントが大量に天井からぶら下がっている少し不気味な雰囲気を持つ作品。
大きな装置は石鹸の泡で仕切られたソーシャルディスタンス、大量のコンセントはインターネットで繋がった世界を現わしているそう。

薄暗い広い部屋にぽつん
石鹸の仕切りで隔離を体験
電源に繋がっていない不気味さ

JR 「インサイドアウトプロジェクト2011」

分庁舎外で撮影した人の大きな顔写真を街に張り出す作品。
三角公園付近にたくさん張り出されていました。

カメラトラックが可愛い
どんどん増えていく巨大な写真

弓指寛治 「山陽堂書店130年の歩み展feat.弓指寛治2021」

山陽堂書店2Fで展示されていた作品。今はとてもオシャレな街ですが、この建物の歴史を知るとやはり戦争でした。本屋さん兼、3階はオシャレなカフェになっています。

山陽堂の外観
展示されていた絵画

柿本ケンサク 「タイムトンネル2020」

ののあおやまという緑いっぱいの公園に溶け込む青がとても好きな作品。
複数の作品がある中、どの青も印象的でした。
AIに歴史や画像を学習させて現像することで時間を写真に映し出した作品。写真の後ろにも作品があるので、ののあおやまを散策しながら作品を探すことをお勧めします!

緑に溶け込む青
夜の海を思わせる青
山の存在を感じる青
流れるマグマかしら

弓指寛治 「あの日のタイル」

骸骨以外にもののあおやまを散策しているとタイルの作品を発見。タイルの色も可愛いですが、貝殻の形をしたタイルがあったり、骸骨というインパクトなのに可愛いテイスト。また、よく見ると、木々の上にも複数の絵画が展示されていてびっくりです。

木の上にも複数の絵画の作品が!
骸骨の目の中は赤いタイル

川俣正+フランツ・ウエスト 「タンコブ1995」、「プレファブリケーション・東京/神戸」

小屋の上のタンコブの横に、壊れたというかバラバラに分解された小屋2つが目に入ってきて、ん??と強い違和感を覚えたのですが作品だとは思わず…小屋という共通点はあったものの、引っ越しかな?と違和感を簡単に消してしまった。

1995年にも展示されていた作品だそう

取り壊されてオリンピック/パラリンピックの駐車場になる予定だった市営住宅近くの三角公園には2つの作品。

フェンスにも水の波紋展の案内がありました

檜皮一彦「hiwadrome type : re[in-carnation]2021」

作品をよく見ると、大量の車椅子でできたモニュメントでした。夜はライトが灯りまた違った印象になる作品。ワタリウム美術館地下にも作品があり、お花の絵かと思ったらよく見たら車椅子のピクトグラムで書かれたお花でした。

強いインパクト
ワタリウム美術館地下の作品

ビル・ウッドロウ 「ハーフ・カット1994」

1995年の水の波紋展で制作展示された、地上の電信柱から線が繋がっていることに驚いた作者がそれを切ってしまったら?というアンチテーゼを込めた作品。こんなに天変地異が多いのに、日本は未だに地上に電柱がありますと言いたい。

赤いハサミ

梅沢和木 「くじら公園・アラウンドスケープ・画像2021」

2階から三角公園の作品が見えるビルの中と近くの児童公園に作品がありました。鮮明な記憶と消えゆく風景を写真合成の上に絵を重ねて描いた作品。確かに、幼い頃によく遊んだ少し不気味なキャラクターの遊具や遊園地にあったインパクトのある形の乗り物だけは鮮明に覚えている。色褪せない記憶と変わりゆく風景と歳を重ねた自分。

くじら公園の後ろの壁面アート
色々とミックスされた絵画

山内祥太 「我々は太陽の光を浴びるとどうしても近くにあるように感じてしまう。2021」

公園を回り込んで第一青山ビルの看板にも作品が。
常に他人の意見に晒されていることに快楽を覚えた現代人の成れの果ての姿だそう。なるほど、自分で考えることをしなくなり強い意見に同調することを覚え、自分の姿・本質がわからなくなった姿ということか…怖い。

人のような動く生物

デイビッド・ハモンズ 「ロックファン1995」

梅窓院に続く道には、日本伝統の枯山水に古くてやや小さい扇風機が置かれていた。
もう動かなくなった金色の羽が印象的で、動かなくなった機械が水の流れない人工的な枯山水への皮肉にも思えた作品。

枯山水は日本人的発想なのかな

ホアン・ヨン・ピン 「竹箒(たけぼうき)1995」

ワタリウム美術館に入る前にもとても目立つ作品があります。
7mもある竹箒がワタリウム美術館に出入りする人たちの禍(災い)を掃き出してくれるそうです。いいですね!

ちょっぴりいいことがありますように

クリスチャン・ボルタンスキー 「モニュメント(オデッサ)1988-89」

ワタリウム美術館内の4Fには2作品。
作品のテーマが重すぎて、醸し出す雰囲気が怖かったです。

遺品の祭壇だそう…

坂本龍一+アピチャッポン・ウィーラセタクン 「async – first ligh -2017」

こちらは映像作品でした。

トモトシ 「プライベートペンディングプラン2019-2021」

地下の作品は、大きなディスプレイに小さく映る映像部分を切り取る形で五輪を意識した色で塗られていて、エキソニモの作品が思い出された。

コードも塗られている

ワタリウム美術館の中では、パビリオントウキョウの模型や作者のビデオなどもありましたが、パビリオントウキョウ編で書きたいと思います。

フィリップ・ラメット 「有罪の空間1995」

ワタリウム美術館を出た後、油断していると作品を通り過ごしてしまいます。
簡単に言うとビルの間に置かれたインスタント座禅スポット。

この違和感には気づけました

名もなき実昌 「観れても触れれない(おっきな落書き(>_<))2021」

バリー・マッギー 「無題2019」

道を歩いているとビルの上にも絵があります。

見える場所が難しかった

そして、路地裏を入ると広い空き地があり、まず、たくさんのTimeの黄色い看板が目をひきます。

SIDE CORE 「地球 神宮前 空き地2021」

小屋の前に赤字で立入禁止と書かれた看板があり、これも作品かな?と思いましたが、作品へ続く道もなく、中を見ることなくその場を後にしました。後日、SNSで会期当初は中にも作品があり、中に入れたことを知りました。作品の外観も変わり、現在はどうかわかりません。一瞬「?」と思ったのに、立入禁止と書いてあるだけでその違和感を消してしまったのが悔やまれます。気になる~

空き地からビルへの繋のTimes
大量に捨てられるスールケース
こんなストリートスポーツの看板が近々できそう
ブランコに乗れるらしい

トモトシ 「ミッシング・ミッシング・サン2021」

新国立競技場へと続く道沿いに畑とマスクできた白旗。

白いマスクによる白旗

ファブリス・イベール 「たねを育てる2008」

8月中旬に見た畑には美味しそうな野菜がたくさん育っていました。街で野菜を育てて街で食べる実験的プロジェクト。
ワタリウム美術館で合言葉を言うと野菜がもらえるらしいです。また、会期終了後、野菜の苗たちの里親になりたい方は、9月8日水曜日の14時~16時にファブリスの畑にプランターやビニール袋持参で集合!だそうです。素敵な企画ですね!

夏野菜、食べたいですね!

久々に渋谷の街を訪れ、歩いたことのない知らない渋谷も見て回れて、アート欲が満たされまくった素晴らしい展示でした。渋谷という一等地に解体予定の市営住宅や広い空き地があることに驚いたり、作品だけでなく知らない渋谷にもたくさん刺激をもらえました。

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