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【イベントレポート】イマーシブダークナイト vol.10に行ってきた

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どうも、Reveです。
いつもご無沙汰になりがちですが、今回は久しぶりにXR関係の面白い話が聞けたのでレポとしてまとめてみました。

【イベント情報】

イマーシブダークナイト vol.10とは、XR・イマーシブ体験の業界関係者が集まる講演イベントで、今回は「没入の設計」をテーマに複数の登壇者がそれぞれの知見を語る形式でした。事前登録制・無料という敷居の低さながら内容はかなり濃密。設計や実装面に興味のある当方にとっては、刺さるトピックが多い会でした。

イベント名イマーシブダークナイト vol.10
開催日2026年5月28日
会場TCA東京コミュニケーションアート専門学校(西葛西)
参加費無料(事前登録制)
公式情報https://www.immcon-society.net/?p=5814

当日のアーカイブ動画もYouTubeで公開されているので、気になった方はぜひご視聴ください。

【前説】イマーシブダークナイトとは

最初にイマーシブダークナイトの説明があり、今回はvol.10の節目回ということで実地で体験する形のXR特集という趣旨を話していました。

また、verseTV・山本信一氏との対談やXR市場の見通し(2029年までに153.3億ドル規模)から、2024年以降は明確に商業フェーズへと移行しつつあり、業界全体の盛り上がりを感じさせるオープニングでした。

【基調講演①】没入の設計――空間に物語を宿す方法

最初のセッションのキーワードは「没入=場所性×身体性」という定式化です。場所性(ターゲットと世界観の方向性)と身体性(バーチャルと体験の方向性)の2軸による設計方法を提唱し、事例として以下のコンテンツを挙げていました。

THE MOON CRUISEは宇宙ファンとSNS世代をターゲットにした現代科学技術ベースのエデュテインメント体験。「自分のまま月面旅行をする」という体験軸が特徴です。

THE MOON CRUISE株式会社STYLY
空間コンピューティング時代のレイヤープラットフォーム「STYLY」を運営する株式会社STYLYのコーポレートサイトです。

AnimaLOOK!!はリゾート宿泊ファミリー向けに蓼科の森との関わりをテーマにしたエデュテインメントで、「生き物目線で森を別の視点から見る」身体性からの設計が印象的でした。

AnimaLOOK!!(VRコンテンツ) | 【公式】東急リゾートタウン蓼科

LBE(ロケーションベースドエンタテインメント)としてのXR体験ということで、どちらも施設を作る場所がどんな所で顧客層がどういう人かを綿密に調べ上げたうえでXR体験を作っており、技術志向に陥りがちなVRデモとは一線を画す設計思想を感じました。
そのために重要な要素が「場所を理解すること」であり、「考えて、行って、感じて、また考える」を繰り返し体感をもって理解することが大事と力説していました。ちなみに、適切な体験時間は経験則として最長50分、目安は20〜30分とのこと。

また、NetSyncを活用した業界環境づくりの取り組みや慈慶学園でのクリエイター育成事例も紹介しており、XR業界を発展させるべく下地を整える取り組みも精力的にされている印象を受けました。

【基調講演②】カンヌ・ヴェネツィアから見る世界のXRトレンド

CinemaLeapの街場勝利氏による講演です。ヴェネツィアXRに8回、カンヌXRに2回ノミネートという実績を持つ同社の代表として、世界標準のクリエイティブと日本の現状について語っていました。受託制作への疲弊から自社プロジェクト「IMMERSIVE JOURNEY」を立ち上げ、横浜・名古屋に続いて2027年5月からは広島でも営業開始予定とのこと。来年春には北斎と広重をテーマにした作品を公開予定だそうです。

IMMERSIVE JOURNEY
最新のVR技術を駆使し、時代を超え世界を巡る物語の旅を提供する施設。「みんなで」「行きたいときに」「次々と新しい作品を」楽しめる場として、日本にXRを新たな文化として定着させることを目指しています。

カンヌ・イマーシブ・コンペティションではBlack Mirror ExperienceKATAVASISが受賞、AIと人類存続について会話するVR体験「GAWD」も紹介されていました。

【基調講演③】屋外型ARの技術的挑戦――ゴジラARの開発秘話

当方が今回最も興味を持ったセッションの一つです。Graffity社による屋外型ARコンテンツ「ゴジラAR ゴジラ VS 東京ドーム」の開発について、技術的な課題と解決アプローチが語られました。

ゴジラAR ゴジラ VS 東京ドーム | 東京ドームシティ アトラクションズ
ゴジラAR ゴジラ VS 東京ドームシティ 2025年12月来襲。

コンセプトは「デカい!怖い!がすぐそこに」で、観覧車「ビッグオー」との対比によるスケール演出、感情ステップ設計、立体音響と振動デバイス(Hapbeat)の組み合わせで「そこにいる体感」を作り上げています。

技術的な難所として主に4点が挙げられていました。

  1. 建造物は変えられない
  2. 常にコンテンツと同一条件とは限らない
  3. 現実は揺れない、震えない
  4. 体験者はどこにでも向ける

これらの課題は擬似現場再現(Unityによる独自シミュレータ)と視覚・触覚効果の組み合わせで対処しており、「VRはすごい世界をデジタルに再現し、ARはリアルにそれを侵食させる」という言葉とあわせ、屋外ARの本質をうまくついて実装されているなと感じました。東京ドームシティの「熱狂」という場の価値観とARの体験設計が重なるという発想も、場所選定の観点として勉強になりました。

【パネルディスカッション】日本のロケーションXRはどこへ向かうのか

後半は複数の登壇者による議論形式のパートでした。「大規模施設はコスト高で機動性が落ちる。スタートアップとして別の体験価値を出せれば生き残れる」という意見がある一方、グローバルの現場に日本人がほとんどいないこと、個人クリエイター依存の構造、継続的な支援がないという課題も率直に語られていました。

LBXRの成功指標はチケット売上だけでなく稼働率・スループット・滞在時間・ファン作りが重要という話、「XR自体は手段なので体験の中身に言及されることが大事」という言葉が印象的でした。

コンテンツの陳腐化速度との戦いについては基盤整備とリフレッシュサイクル設計が重要とのこと。フランスのunframe社によるアーカイブ取り組みも紹介され、過去作品が消えてしまうことへの問題意識が業界全体にあることが伝わりました。

【まとめ】

イマーシブダークナイト vol.10は、XR業界の実務者が率直な言葉で現状と展望を語る、密度の高いイベントでした。特に印象に残ったのは2点です。

一つは没入の設計における「場所性×身体性」というフレームワーク。技術ドリブンになりがちなXR開発において、体験目的から逆算するこの思考法はゲームや映像制作にも応用できると感じました。

もう一つは屋外型ARの技術的難所とその解決アプローチ。演出設計と身体デバイスを組み合わせて「そこにいる体感」を作るという発想は、実装観点から非常に参考になりました。業界の課題についても包み隠さず語られており、現場のリアルを知る場として今後も参加したいと思います。

もし参考になれば幸いです。

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