どうも、ヴィンテージ水晶発振子を使った時計の続きです。
回路については一通り語りつくしましたが、今回ははんだ付けや筐体部の制作と組付けなどについて書いていきます。
目次
- 概要と機能・動作
- 材料
- クロック回路
- 時計(時刻のカウント)
- 時刻合わせ
- VFD点灯制御
- 電源、リセット
- 実装(はんだ付け、筐体) ← 今回はココ!!
- 完成までのストーリー
今回の作業この回路の役割
回路は全て完成したので、それらを接続して筐体に入れる作業です。
初めに筐体の準備をしておき、それぞれの回路を筐体に取り付けながらケーブルで接続して本体を組み立てます。
筐体
筐体のテーマは、サイバーパンクとアンティークを融合させた”サイバーティーク”(造語です)風です。VFD管のガラスと青、水晶発振子のガラスの雰囲気を生かしたい、できれば頑張った基板も見せたいと思い制作しました。
基板をスプレーでシルバーに塗装し、六角スペーサーはゴールドを使用しています。100均で購入した木を切って組み合わせ、竹コースターに穴を開け、廃材を加工してダークブラウンのニスを塗ってっ雰囲気を出して土台として使用しています。
材料
筐体といっても、箱というよりは合板とスペーサーで構成したオープンフレームのケースです。材料の特徴と用途は以下の通り。
材質 | 個数 | サイズ (mm) | 目的 |
合板(大) | 1 | 325 x 125 x 15 | 回路を取り付ける土台 |
合板(小) | 1 | 180 x 60 x 8 | 天板1。VFD管の設置。 コネクタを通す穴は手作業 |
合板(丸) | 1 | Φ100 x 7 | 天板2。水晶発振子(ソケット)の設置 |
ネジ | 18 | M3 x 15 | 回路の固定用。 スペーサーを介して回路を土台に固定 |
ネジ | 2 | M2 x 10 | 水晶発振子用ソケットの固定 |
ナット | 2 | M2用 | 同上 |
スペーサ(長) | 12 | M3 x 30 | 天板1の固定用。土台に取り付け |
スペーサ(短) | 6 | M3 x 20 | 天板2の固定用。土台に取り付け ソケット(水晶発振子)の嵌め込み穴は手作業 |
スペーサ (プラ) | 12 | M3 x 10 | 回路と土台のスペーサ。 タミヤユニバーサルプレートに付属。 https://amzn.to/3MXxvBc |
鬼目 ナット | 12 | M3 x 8 | 土台にネジ穴を作るための治具 https://amzn.to/49Rhqqy |
また、水晶発振子やVFD管はガラスなので、保管する際はクリアケースやカバーを用意しておいたほうが安心だと思います。我々は緩衝材(プチプチ)にくるんでから以下のケースで覆ってマスキングテープで固定しています。
回路の接続
これまで各々の電子回路を解説してきましたが、これらを接続する上で必要なものがあります。それは、ケーブルとコネクタ。
今までの記事ではあえて省いていましたが、ここで一覧にまとめます。
コネクタ | 個数 | 接続先 | 目的 |
XAコネクタ(8極) | 12 (ハウジング/ポスト) | 時計 VFD管 | 時計回路とVFD管アダプタをつなぐ。6本 https://www.marutsu.co.jp/pc/i/2231801/ https://www.marutsu.co.jp/pc/i/2231377/ |
XAコネクタ(4極) | 2 (ハウジング/ポスト) | 時計 VFD管 | 時計回路とVFD管フィラメントをつなぐ https://www.marutsu.co.jp/pc/i/2231799/ https://www.marutsu.co.jp/pc/i/525891/ |
XHコネクタ(4極) | 2 (ハウジング/ポスト) | 時計 電源 | 電源を時計とVFDに供給 https://akizukidenshi.com/catalog/g/gC-12257/ https://akizukidenshi.com/catalog/g/gC-12842/ |
XHコネクタ(3極) | ハウジング 2 ポスト 1 | 時計 発振回路 | 水晶発振子からの信号を時計に伝える。発振回路はピンヘッダで接続 https://akizukidenshi.com/catalog/g/gC-12256/ https://akizukidenshi.com/catalog/g/gC-12263/ |
XHコネクタ(2極) | 2 (ハウジング/ポスト) | 電源 発振回路 | 発振回路に電源を供給 https://akizukidenshi.com/catalog/g/gC-12255/ https://akizukidenshi.com/catalog/g/gC-12247/ |
XAコネクタ(3極) | 1 (ハウジング) | 水晶発振子 | 水晶発振子(ソケット)を発振回路に接続。反対側はピンヘッダで代用 https://www.sengoku.co.jp/mod/sgk_cart/detail.php?code=EEHD-4AZY |
DCジャック(2.1mm) | 1 | 電源 | ACアダプタ(12V)を電源に接続。10Aまで対応 https://akizukidenshi.com/catalog/g/gK-06998/ |
あくまで一例なので、ご自身の回路や筐体にあったものに替えていただいて構いません。
組み立て
必要な材料がそろったら、あとは回路の接続と筐体への組付けです。
まず、土台に鬼目ナットをつけて、回路を固定できるように準備を進めます。
鬼目ナットは以下の様にして取り付けます。
鬼目ナットを取り付けたら、スペーサー(プラ)とM3ネジを使って回路を固定します。回路を固定したら、ケーブルをできるだけつないでおきます。
その後、スペーサーを取り付けます。各スペーサーは3本ずつ留めて1本の長いものにした上、天板1と2の設置個所にまとめたものを設置します。
続けて、天板1(VFD)にVFD用の基板を取り付けます。我々の場合は、天板はネジで固定していますが、先にネジ留めするとコネクタが取り付けづらくなります。そこで、予めドリルやのこぎりでコネクタを通す穴(+ネジ穴)を開け、基板とコネクタをつないだ上でネジを回して固定します。
天板2も同様に穴をあけて、水晶発振子用のソケットをはめ込んだ上で、発振回路とつないで天板ごとネジで固定します。
回路を全てつないだら…完成です!!
メイキング
全部を一つにまとめていきます!一つのはんだ付けから始まったこの時計はなかなか終わりが見えませんでしたが、やっとこの日が来たという感じです。長い戦いだっただけに完成すると感慨深いです。
できたー!完成したー!とても叫びたい気分ですw